関節肢(読み)かんせつし(その他表記)jointed appendage

改訂新版 世界大百科事典 「関節肢」の意味・わかりやすい解説

関節肢 (かんせつし)
jointed appendage

節足動物に発達した肢節に分かれた付属肢をいう。肢節は互いに関節するとともに,肢基部では体節とも関節する。肢節の数は三葉虫類では8,鋏角(きようかく)類,甲殻類,多足類,昆虫類では7が基本と考えられ,三葉虫類,鋏角類,甲殻類では基部肢節から主肢(内肢)と並んで多数に分節した枝肢(外肢)が派生する。肢節はさらに二次的に分節あるいは融合し,突起,とげ,剛毛などを生じ,外肢などを消失したりして,各付属肢はそれぞれ特有の役割に応じた独特の形になっている。一般に胸部の付属肢は原型的状態を比較的よく保持しているが,頭部では感覚器や口器を形成するための著しい変形が見られ,腹部では肢節が融合した板状の遊泳肢や生殖器となったり矮小(わいしよう)化し消失することが多い。同じような関節肢であるが,昆虫類,多足類の付属肢は分枝しない棒状肢であるのに対して,甲殻類,鋏角類の付属肢は二叉(にさ)型あるいは三叉型を原型とするものと考えられ,発生学的な根拠にも基づいて,これらの動物群は別系統のものとする説が再び注目されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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