翻訳|appendage
体節動物の各体節には1対の付属肢があるのが基本型である。ゴカイ類(環形動物)の各体節には,体壁の膨出したいぼ足がみられる。カギムシ(有爪動物),クマムシ(緩歩動物)の付属肢にはつめがあって,つめ脚となる。さらに節足動物になると,付属肢は分節して関節肢となり,先端節にはつめを生じ,機能的にも進化してくる。同時に体節の癒合や分化にともなって付属肢にも分化が生じる。頭節の付属肢は触角や口器(上唇,大あご,小あご,下唇など)となり,胸節と腹節の付属肢はそれぞれ胸脚,腹脚として,歩行や遊泳に用いられる。昆虫類は幼虫期に腹脚があっても成虫では退化するのが普通で,シミ,イシノミ類では残存する。腹部末端節にある付属肢は外部生殖器(雌では産卵管,雄では把握器など)や尾毛に分化する。なお脊椎動物の外肢(魚類のひれ,鳥類の翼,陸生動物の脚など)も付属肢である。
執筆者:笹川 滿廣
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…動物体の一部が突出して体を支え移動させる働きをする構造物は,一般に〈あし〉と呼ばれ,足・脚・肢の字が用いられるが,その区別は慣用的なものである。足と呼びうる特別な部分がなくても移動する動物は数多くあり(傘運動をするクラゲ類や蠕動(ぜんどう)運動をするミミズ類など),また足と同じような構造でも形・働きの違いから足と呼ばれないものも多い(節足動物の多くの付属肢など)。
【無脊椎動物の足】
無脊椎動物の足は形成部位も構造もさまざまである。…
※「付属肢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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