日本大百科全書(ニッポニカ) 「阜陽」の意味・わかりやすい解説
阜陽
ふよう / フーヤン
中国、安徽(あんき)省北西部の地級市。旧称潁州(えいしゅう)。潁河の沿岸に位置する工業都市である。3市轄区、4県を管轄し、界首(かいしゅ)市の管轄代行をする(2016年時点)。人口1014万2922(2010)。秦(しん)代に汝陰(じょいん)県が置かれ、唐代は潁州の、宋(そう)代は順昌府の治所で、金(きん)・元・明(みん)代は潁州に復した。清(しん)代に阜陽県が設置され、1975年に県から分離して阜陽市が設けられた。華北と華中を結ぶ水陸交通の要衝で、淮河(わいが)水系の主要河港である。市街近郊には阜陽西関空港があり、北京(ペキン)、上海(シャンハイ)など国内主要都市とを結ぶ路線が開設されている。電気機械、紡績、食品などの工業が発達している。周辺は華北平原の南縁部にあたり、小麦、雑穀、綿花などを産する農村地帯である。
[林 和生・編集部 2017年7月19日]