離相流(読み)りそうりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「離相流」の意味・わかりやすい解説

離相流
りそうりゅう

近世槍術(そうじゅつ)(管槍(くだやり))の一流派。流祖は紀州藩士石野伝一氏利(いしのでんいちうじとし)(1621―93)。氏利は初名を一蔵、通称弥平兵衛(やへいべえ)。少年のころより槍術を好み、衣笠(きぬがさ)七兵衛内蔵助(くらのすけ)流(直槍(すやり))を、ついで樫原(かしわら)五郎左衛門に樫原流(鍵槍(かぎやり))を学んでその奥旨を得、さらに藩主徳川頼宣(よりのぶ)の命によって江戸へ下り、管槍の名人とよばれた水島見誉(みずしまけんにょ)に従学すること数年、ついにその精妙を究めた。頼宣は大いにこれを賞揚し、自ら考案した狭衣(さごろも)などの業合(わざあい)を秘事(ひじ)として伝授し、離相流という流名と伝一の号を賜ったという。1651年(慶安4)3代将軍家光(いえみつ)の最後の武術上覧にその名を連ねた。なお門人では、戸山五大夫利昭(とやまごだゆうとしあき)(戸山流祖)、青岡弥左衛門利之(あおおかやざえもんとしゆき)らが傑出した。

[渡邉一郎]

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