雲富・西雲富村(読み)くもどう・にしくもどうむら

日本歴史地名大系 「雲富・西雲富村」の解説

雲富・西雲富村
くもどう・にしくもどうむら

現大栄町吉岡きちおかに比定される。永仁六年(一二九八)一二月二八日の奥書をもつ鉄塔諷誦(金沢文庫所蔵聖教)に雲富山とみえ、これを山号とする大慈恩だいじおん寺で書写された。また鎌倉時代末期から南北朝期と推定される六月一二日の法淳書状(金沢文庫文書)にも雲富での胎蔵界の書写のことが言及されており、雲富は大慈恩寺をさす。しかしのちには同寺領の一つとして地名化しており、応永三三年(一四二六)四月一〇日の大須賀朝信証状(大慈恩寺文書)に「西雲冨村内本願寄進并新寄進」とみえ、大須賀胤氏菩提寺として寄進した地である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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