大慈恩寺(読み)だいじおんじ

精選版 日本国語大辞典 「大慈恩寺」の意味・読み・例文・類語

だい‐じおんじ【大慈恩寺】

中国陝西省西安にある寺。唐の貞観二二年(六四八高宗が造営。玄奘(げんじょう)招請、翻経院を併設して仏典漢訳事業を遂行した。度々の火災で大寺院の面影は失ったが、重要な文化遺跡として保存されている。寺内大雁塔は名高い。慈恩寺

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デジタル大辞泉 「大慈恩寺」の意味・読み・例文・類語

だいじおん‐じ【大慈恩寺】

中国、高宗が648年、長安建立した寺。玄奘げんじょう首座しゅそとし、翻経院を設けて仏典の漢訳を行い、法相宗を広めた。会昌の法難で廃絶したが、大雁塔は現存。慈恩寺。→雁塔

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日本歴史地名大系 「大慈恩寺」の解説

大慈恩寺
だいじおんじ

[現在地名]大栄町吉岡

真言宗智山派に属し、雲富山池光院と号する。本尊釈迦如来。初め慈恩寺と称し、大須賀胤氏の創立という。胤氏は宝応寺過去帳に建治二年(一二七六)一一月一四日没とあり、「吾妻鏡」にもその活躍がみえる鎌倉時代中期の在地武士である。永仁六年(一二九八)一二月二八日の奥書をもつ鉄塔諷誦(金沢文庫所蔵聖教)に雲富山で草したとある。この山号は西雲富などを含め繰返しみられ、また地名化している。寺蔵の延慶三年(一三一〇)三月二九日の梵鐘銘には「雲富山慈恩寺鐘銘 開山住持比丘真源書」とあり、この頃新たに開かれたか再興されたことが知られる。

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デジタル大辞泉プラス 「大慈恩寺」の解説

大慈恩寺

千葉県成田市にある真言宗智山派の寺院。山号は雲富山、院号は池光院。本尊は釈迦如来。寺伝では鑑真による開創とされるが、実際には鎌倉時代末頃の建立とみられる。古くは「慈恩寺」と称し、14世紀の末頃から“大”の字を冠するようになった。

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改訂新版 世界大百科事典 「大慈恩寺」の意味・わかりやすい解説

大慈恩寺 (だいじおんじ)
Dà cí ēn sì

慈恩寺(中国)

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世界大百科事典(旧版)内の大慈恩寺の言及

【慈恩寺】より

…648年(貞観22)に当時皇太子であった唐の高宗が母の文徳皇后の慈恩に報いるために建立したもので,子院10余,合わせて1897間という広大な規模を誇った。〈大慈恩寺〉という寺額を賜り,たまたまインドから帰国した玄奘を迎えて上座とし,翻経院で訳経に専念させた。玄奘を大慈恩寺三蔵法師とよぶのは,そのためであり,玄奘の高弟の窺基は,この寺で法相宗を広めたので,慈恩大師とよばれる。…

※「大慈恩寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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