雲居なす(読み)クモイナス

デジタル大辞泉 「雲居なす」の意味・読み・例文・類語

くもい‐なす〔くもゐ‐〕【雲居なす】

[枕]
雲のかかる遠くの意から、「遠く」にかかる。
隼人はやひと薩摩さつま瀬戸を―遠くも我は今日見つるかも」〈・二四八〉
雲のように揺れ動く心の意から、「心」にかかる。
「―心もしのに立つ霧の思ひ過ぐさず」〈・四〇〇三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雲居なす」の意味・読み・例文・類語

くもい‐なす くもゐ‥【雲居なす】

① 「雲のかかっている遠方のように」の意で「遠く」にかかる。
万葉(8C後)三・二四八「隼人(はやひと)薩摩の瀬戸を雲居奈須(くもゐナス)遠くも我は今日見つるかも」
② 「雲があてもなくただよっているように」の意で「心いさよふ」「心もしのに」にかかる。
※万葉(8C後)三・三七二「雲居奈須(くもゐナス) 心いさよひ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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