遠方(読み)おちかた

精選版 日本国語大辞典「遠方」の解説

おち‐かた をち‥【遠方】

① ある地点から、遠く隔たっている方角、方向。
書紀(720)皇極三年六月・歌謡「烏智可(ヲチカタ)の浅野の(きぎし)(とよも)さずは寝しかど人そ響す」
② ある時点から隔たった時。
※大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)五「師の寿命、今自り已去(ヲチカタ)、更に十年可(ばかり)なり」
③ 海外。
※書紀(720)舒明九年是歳(北野本訓)「汝祖等(いましおやたち)、蒼海(あをうなはら)を渡り、万里(とほきみち)(あふとこ)びて水表(ヲチカタ)の政(まつりこと)を平(ことむ)けて」

えん‐ぽう ヱンパウ【遠方】

〘名〙 空間的、時間的に遠く離れたころ。〔文明本節用集(室町中)〕
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)一「母が遠方で死だ時」 〔論語‐学而〕

とお‐じ とほぢ【遠方】

〘名〙 遠い所。はるかな方。えんぽう。おちかた。
※国基集(1102頃)「春ふかくまだ霞けるふる郷のとをちの山をほのもみましや」

おち‐つ‐かた をち‥【遠方】

〘名〙 以後。以下。
※評判記・色道大鏡(1678)一三「それよりをちつかたの事をかたる内に」

とお‐ち とほ‥【遠方】

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デジタル大辞泉「遠方」の解説

おち‐かた〔をち‐〕【遠方】

遠くの所。ずっと向こうの方。
「この目は常に―にのみ迷うようなれど」〈鴎外・文づかひ〉

えん‐ぽう〔ヱンパウ〕【遠方】

遠くの方。遠い所。「遠方からの客」「遠方へ旅立つ」
[類語]遠く遠隔遠い遠め程遠い間遠まどお遥か遥けしはるばる遠路迂遠うえん悠遠遼遠長途遠距離僻遠へきえん万里以遠

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普及版 字通「遠方」の解説

【遠方】えんぽう(ゑんぱう)

遠い所。〔文選、古詩十九首、十七〕客方より來(きた)り 我に一書札を(おく)る 上に言ふ、長く相ひ思ふと 下に言ふ、久しく離別すと

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