化学辞典 第2版 「電子ビーム記録」の解説
電子ビーム記録
デンシビームキロク
electron beam recording
10~20 kV の電子線を微小スポットに集束し,二次元走査して情報パターンを記録する方式.光記録よりも解像力にすぐれ,0.1 μm 程度の微細構造をもつ高密度情報記録が可能である.一方,描画速度が劣るため,量産ベースでの使用は難しい.そのため,少量多品種あるいは研究開発用の半導体集積回路製造や,光リソグラフィーのマスク製造などの微細加工技術に実用化されている.記録媒体としては電子線レジスト([別用語参照]光レジスト)が用いられるが,電子線照射によって高分子の分子量が低下して現像液に溶解しやすくなることを利用するポジ型と,三次元架橋により溶解性が低下することを利用するネガ型がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報