ハロゲン化銀写真の潜像を,可視像に変換するために使用する溶液.物理現像,化学現像,カラーフィルムのための発色現像用の現像液がある.黒白写真に実用される化学現像液は,
(1)還元性の有機化合物(メトール,ヒドロキノン,フェニドンなど)よりなる現像主薬,
(2)現像主薬の空気酸化を防ぐ安定剤(亜硫酸ナトリウム,その他),
(3)アルカリ性を与える促進剤(炭酸ナトリウム,ホウ砂など),
(4)未感光部の還元を防ぐ抑制剤(臭化カリウム,その他),
そのほかの水溶液である.現像中心の部分を中心としてハロゲン化銀を銀に還元する速度を異にする2,3種類の現像主薬を共存させて,画質を制御することが多い.また,現像主薬の併用により,それぞれを単独で用いる場合よりも現像活性が高くなることがある(超加成性).主薬のもつ荷電数が1の場合(メトール),現像後の写真濃度は現像時間にほぼ比例するが,荷電数が2の場合(ヒドロキノン)は加速度的に現像される.したがって,前者は軟調,後者は硬調な画像を与える.発色現像では,現像主薬としてp-フェニレンジアミン系化合物が用いられる.特殊な現像液には,ハロゲン化銀溶解剤を加えた一浴現像定着液,自動現像機での迅速処理用の高温現像液などもある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…撮影し,露光したフィルムや焼付け露光を終わった印画紙はそのままではまだ目に見える画像を作っていない。この状態ではフィルムや印画紙に潜像ができているので,潜像を化学的に還元する作用をもった現像液で処理することによって目に見える画像が現れる。この処理が現像である。…
※「現像液」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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