化学辞典 第2版 「電子染色法」の解説
電子染色法
デンシセンショクホウ
staining
電子顕微鏡のコントラストは電子線の吸収ではなくて,電子散乱能の差によってできる.コントラストを補うため,試料中の特定の部位,すなわち,特定の成分を電子線の散乱能の大きい重金属で染着するとよい.これを電子染色法といい,タングステン酸やオスミウム酸などが用いられる.これには二通りあり,目的とする試料中の特定部位を染色する方法と,特定部位を残して周囲の部分を染色する負染色の方法とがある.生物試料のほか,高分子複合体の組織の観察にも用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報