成分(読み)せいぶん

精選版 日本国語大辞典 「成分」の意味・読み・例文・類語

せい‐ぶん【成分】

〘名〙
化合物混合物などを構成している純物質をさしていう。
舎密開宗(1837‐47)内「按に大気の成分諸家の測量小異同あり」
草枕(1906)〈夏目漱石〉七「鉱泉と名のつく以上は、色々な成分を含んで居るのだらうが、色が純透明だから、入り心地がよい」
文法で、文の構成上の部分主語述語修飾語などの総称。特に「文の成分」という。〔日本中文典(1891)〕
数学で、一つベクトルを各方向のベクトルに分解したときの各ベクトル。ベクトル成分。

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デジタル大辞泉 「成分」の意味・読み・例文・類語

せい‐ぶん【成分】

化合物混合物などを構成している元素や純物質
文法で、一つの文を構成している部分。主語・述語・修飾語などの総称。
数学で、一つのベクトルを各方向のベクトルに分解したときの各ベクトル。
[類語]因子要素ファクターエレメントエッセンスモーメント

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化学辞典 第2版 「成分」の解説

成分
セイブン
component

】混合物において,それを構成するそれぞれの物質をいう.【相律においては,各相の組成を完全に表すことができ,かつそれぞれは独立にその量をかえることのできる最小種類の構成物質をいう.また,その数を成分の数という.たとえば,

CaCO3(s) CaO(s) + CO2(g)

の異相平衡においては,成分としてCaOとCO2を選ぶことができる.CaCO3はCaOとCO2の1:1から構成されるとみなされるから,成分として数える必要はなく,この系での成分の数は2である.

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岩石学辞典 「成分」の解説

成分

(1) 一つの化合物を作る各元素または一つの混合物に含まれる各物質.(2) 相律では,この語は系を構成する各構成部分を示し,化学式によって結合されない独立した分子の種で,この成分によって系が記載される[Wahlstrom : 1950,片山ほか : 1970,長倉ほか : 1998].岩石学では成分は量的なものは含まれず,量も含めて表す場合には組成(composition)を使用する.

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栄養・生化学辞典 「成分」の解説

成分

 ある物質がいくつかの性質の異なる物質で構成されているとき,その一つ一つをいう.

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