音響測位システム(読み)おんきょうそくいシステム(その他表記)acoustic positioning system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「音響測位システム」の意味・わかりやすい解説

音響測位システム
おんきょうそくいシステム
acoustic positioning system

海上および海中船舶等の位置を,超音波を用いて計測するシステム。海上の船の位置測定は,通常,ロラン,オメガ,衛星航法などの電波航法装置が用いられている。測定精度は比較的良い条件でも 0.1カイリ (185.2m) 程度であるので,海上作業のようにさらに高い精度が要求される場合には,水中超音波を用いた音響測位システムが用いられる。一定周期で超音波を発信するピンガー,または超音波信号に応答するトランスポンダを,対象となる海域海底に設置し,基準点とする。三角測量原理を用いて船の位置を測定するもので,基準点には,LBL方式,SBL方式,SSBL方式がある。日本の深海潜水調査船「しんかい 2000」および「しんかい 6500」と母船の位置測定にはこのシステムが採用されている。

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