精選版 日本国語大辞典 「頚玉」の意味・読み・例文・類語
くび‐たま【首玉・頸玉】
- 〘 名詞 〙
- ① 古代の首飾りの玉。
- [初出の実例]「廬城部連枳莒喩(いほきへのむらしきこゆ)が女(むすめ)幡媛物部大連尾輿(おこし)が瓔珞(クヒタマ)を偸(ぬす)み取て」(出典:日本書紀(720)安閑元年閏一二月(寛文版訓))
- ② 犬、猫などの首にかける環。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「緋の首玉(クビタマ)した小猫が、ちろちろと鐸(すず)を鳴らして」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉五)
- ③ くび。くびすじ。くびったま。
- [初出の実例]「白犬一疋尾をふって、箱の鮓をねらひ付、くはへる所を又六どっこいとくび玉をさへ」(出典:浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)四)
- ④ 船具の一つ。和船の帆柱の先端から船首にかけて張る補強用の綱の根元につけ、水押(みおし)にくくりとめるための綱。根縊(ねくくり)。