瓔珞(読み)ヨウラク

デジタル大辞泉 「瓔珞」の意味・読み・例文・類語

よう‐らく〔ヤウ‐〕【××珞】

珠玉を連ねた首飾り腕輪インドにおける装身具であったが、仏教では仏像荘厳しょうごんする飾り具をいい、また寺院内の宝華ほうけ状の荘厳をいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「瓔珞」の読み・字形・画数・意味

【瓔珞】よう(やう)らく

珠の首飾り。仏像に用いる。〔南史、夷貊上、海南諸国、林邑国伝〕其の王たる、法、瓔珞を加ふること、佛像のりの如し。出づるときは則ち象に乘り、螺(ら)(法螺貝)を吹き鼓をつ。

字通「瓔」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「瓔珞」の意味・わかりやすい解説

瓔珞
ようらく

仏具の一種で、纓珞、纓絡とも書く。梵語(ぼんご)ムクタハーラmuktāhāra、ハーラhāra、ケユーラkeyūraの訳。古代インドの貴族の装身具として用いられ、とくに首や胸を中心に、真珠・玉(ぎょく)・金属などを紐(ひも)に通したり、つないだりして飾った。仏教では仏像、とくに菩薩(ぼさつ)像などを荘厳(しょうごん)する飾り具として用い、また浄土では木の上からこれが垂れ下がっているといわれているため、日本の寺院では宝華形をつないで垂下させたものを寺堂内陣の装飾に用い、これも瓔珞という。

[永井信一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瓔珞」の意味・わかりやすい解説

瓔珞
ようらく

サンスクリット語のムクターハーラ muktāhāraまたはケーユーラ keyūraの訳語。インドで身分の高い男女が珠玉や貴金属を編んで,首,胸,腕などにつけた装身具。仏教では寺院内外の飾りや仏像の首,胸,衣服の飾りに用いる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「瓔珞」の意味・わかりやすい解説

瓔珞【ようらく】

本来,玉や貴金属に紐(ひも)を通してつないだ飾りで,インドで頭,首,胸を飾るため,貴人の用いたもの。仏教では仏像の首飾,宝冠,天蓋の装飾や,仏前の荘厳(しょうごん)(飾り)に多く用いられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android