風よけ(読み)かざよけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「風よけ」の意味・わかりやすい解説

風よけ
かざよけ

オーストラリア先住民ニグリト諸族,カラハリ砂漠に住むサン族など,狩猟採集民の間にみられる最も単純な住居様式。木の枝と葉を敷いた地面に直接立てられた片流れ型の屋根だけで,壁も床もない。狩猟採集民は食糧を求めて常時放浪の生活を送るため,堅牢な住居を営むことがなく,風よけも数日間の滞在ののちには放棄され,宿営地を変えるたびに,新たにつくられる。風よけをつくるのは女子の役割とされており,その大きさは夫婦幼児が身を横たえるに足りるだけの小さなものである。

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世界大百科事典(旧版)内の風よけの言及

【住居】より

…しかし,おしなべて移動性をその特徴としている。フィリピンのネグリト,マレー半島内陸のセマン族,あるいはオーストラリアのアボリジニーの間に見られる,または見られた風よけwindbreakは,最も簡素な使い捨て住居といえる。これは風や露をしのぐという人間にとっての最小限の機能をもち,住居というより覆いの域を出ない。…

※「風よけ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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