食療本草(読み)しょくりょうほんぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「食療本草」の意味・わかりやすい解説

食療本草
しょくりょうほんぞう

中国、唐代に孟詵(もうせん)が著した『補養法』(701~705)に、張鼎(ちょうてい)が増補して、20~30年後に出版したとされる書物。孟詵は幼少ころから不老長寿関心をもち、平素から食療に努め、93歳で没した。『補養法』は孟詵の実践した内容と思われる。この書は伝存しないが、『嘉祐(かゆう)補注神農本草』(1061)に「孟詵云(いう)」、また『証類本草』(1100ころ)に「食療云」と引用されており、その内容をうかがい知ることができる。ただし引用が部分的であるため、どの部分が孟詵の文章か、あるいは張鼎の増補文かを区別することは困難である。

[難波恒雄・御影雅幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の食療本草の言及

【本草学】より

… しかし,このような大著は一般の臨床医家が使うには不便であるし,他方どんなに大きな書でも薬物についてのすべての情報を収載することは不可能である。そこで,これらの書にもれたものを補うための《本草拾遺》(739,陳蔵器撰),《本草綱目拾遺》(1800ころ,趙学敏撰)とか食事療法に重点を置いた《食療本草》(700ころ,孟詵撰),薬効原理をまとめた《湯液本草》(1248,王好古撰),実用を主眼とした《本草蒙筌》(1565,陳嘉謨撰),《本草備要》(1682ころ,汪昂撰)など,小型ではあるが使用目的を明確にした本草書が作られた。 中国は歴史もきわめて古く,国土も広大である。…

※「食療本草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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