飫肥郷(読み)おびごう

日本歴史地名大系 「飫肥郷」の解説

飫肥郷
おびごう

和名抄」所載の郷。同書高山寺本・名博本に「肥」、東急本・伊勢本・元和古活字本に「飯肥」と記され、諸本とも訓を欠く。「日本地理志料」は飫肥の音は飫富に通じるとして、郷名は意富臣の居住地に由来するとの説を紹介し、飫肥・楠原くすばる酒谷さかたに板敷いたじき星倉ほしくら弁分べんぶん(現日南市)大藤おおふじごうはら北河内きたがわち(現北郷町)の諸村に比定する。「日向国史」は、広渡ひろと川の左右に田園が開け油津あぶらつ(現日南市)良港を擁し、古墳も諸所にあるので古くから拓殖の及んだ所として、南那珂郡飫肥町に比定する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の飫肥郷の言及

【飫肥】より

…日向国(宮崎県)の城下町。《和名抄》には飫肥郷の名でみえ,《建久図田帳》には島津荘寄郡として飫肥北郷400町,飫肥南郷110町と出てくる。15世紀来島津・伊東両氏の係争の地となり,1587年(天正15)豊臣秀吉によって伊東祐兵(すけたか)がこの地に封ぜられるにおよんで,同氏によって本格的に城下の整備がなされた。…

※「飫肥郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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