日向国史(読み)ひゆうがこくし

日本歴史地名大系 「日向国史」の解説

日向国史
ひゆうがこくし

上・下二巻 喜田貞吉日高重孝編著 昭和四―五年刊

解説 県史編纂計画を受け、明治三三年から同三八年にかけて中村徳五郎がまとめたものが稿本宮崎県史であった。しかし公刊物としては不適とされ刊行には至らなかった。大正二年有吉宮崎県知事は県史編纂への熱意から稿本の改訂を目指し、喜田貞吉にこの事業を委嘱した。喜田は中村の編纂方針を尊重しながら宮崎県出身の日高重孝とともに執筆に当たり、大正七年に脱稿するが、県から古代史の部を中心に再考を求められた。喜田の個人的事情や県との折衝等で発行は延期されたが、事業の着手から一七年の年月をかけ、昭和四年に喜田個人の名でようやく刊行された。太古・上古史から平安時代までを喜田が担当し、鎌倉時代以降は日高が担当執筆している。宮崎県の通史を研究するうえでの古典的名著。昭和四八年復刻。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報