飽足(読み)あきだり

精選版 日本国語大辞典 「飽足」の意味・読み・例文・類語

あき‐だり【飽足】

〘名〙 (動詞「あきたる(飽足)」の古形「あきだる」の連用形名詞化) 十分に満足すること。
万葉(8C後)一〇・二〇〇九「汝(な)が恋ふる妹(いも)の命(みこと)は飽足(あきだり)に袖振る見えつ雲隠るまで」
仮名草子浮世物語(1665頃)四「上戸の酒に飽足(アキダリ)のなきををかしがれども」
[補注]万葉例は「あきだらに」とよみ「あきたりないので」の意とする説もある。

あき‐た・る【飽足】

〘自ラ四〙 (古くは「あきだる」。多く下に打消を伴う) 十分満たされたという気持になる。満足する。あきたりる。
※万葉(8C後)五・八三六「梅の花手折(たを)りかざして遊べども阿岐太良(アキダラ)ぬ日は今日にしありけり」
※閑居友(1222頃)上「ゆきかふところの事をあきたらずおもひて」

あき‐た・りる【飽足】

〘自ラ上一〙 (四段活用の「あきたる」から転じて、近世後期頃から江戸で使われるようになったもの。多く下に打消を伴う) =あきたる(飽足)
滑稽本浮世床(1813‐23)二「とり殺しても倦足(アキタリ)ねへとはおそろしや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「飽足」の読み・字形・画数・意味

【飽足】ほうそく

満足する。

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