精選版 日本国語大辞典 「浮世物語」の意味・読み・例文・類語
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仮名草子。5巻5冊。浅井了意(りょうい)作。1665年(寛文5)刊か。主人公浮世房の一代記という構想のもとに、その浮世遍歴を通して、現実社会の諸相を啓蒙(けいもう)、批判しようとした作品。主人公瓢太郎(ひょうたろう)は初め武家奉公を志し、主君の気に入られるが、傲慢(ごうまん)さのために失敗して逃げ出し、出家して浮世房となる。諸国遍歴ののち、さる大名に仕えて御咄衆(おはなししゅう)となり、世相の諸事を啓蒙、教訓したのち、蝉(せみ)がもぬけるようにして仙人となり行方知れずになる、という筋。冒頭に刹那(せつな)的享楽主義を説き、剽軽(ひょうきん)な主人公浮世房を活躍させて笑いのなかで啓蒙、教訓しようとする作者の意欲は評価できるが、『可笑記(かしょうき)』(如儡子(にょらいし)作)の影響下にある現実批判や儒教思想を啓蒙する内容は、やや鋭さに欠ける点がある。
[谷脇理史]
『前田金五郎校注『日本古典文学大系90 仮名草子集』(1965・岩波書店)』▽『谷脇理史他校注・訳『日本古典文学全集37 仮名草子集・浮世草子集』(1971・小学館)』
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…名所記・道中記的な《東海道名所記》《江戸名所記》《京雀》,怪談集《御伽婢子(おとぎぼうこ)》《狗張子(いぬはりこ)》,教訓書《堪忍記》《大倭(やまと)二十四孝》,随筆的な《可笑記評判》,実録書《かなめ石》《武蔵鐙(あぶみ)》《鬼利至端(キリシタン)破却論伝》,咄本《狂哥咄》などが知られているが,〈博識強記〉といわれるほどの豊かな学識,平淡な文体,寛容の精神,大衆に対する共感と同情,現実社会への慷慨などにささえられ,いずれも読者の好評を博した。なかでも滑稽遍歴談《浮世物語》には,西鶴の《好色一代男》の先駆的要素と,痛烈な現世批判をみせる警世的要素との結合がみられ,作品としては未熟ではあるが,高く評価されている。また《御伽婢子》《狗張子》は,近世怪異小説の一時期を画したもので,後代への影響も大きい。…
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