改訂新版 世界大百科事典 「高額療養費支給制度」の意味・わかりやすい解説
高額療養費支給制度 (こうがくりょうようひしきゅうせいど)
医学・医術の進歩,医療機器の開発等により医療費の上昇が続き,医療費の患者負担も増加傾向にある。この患者負担を軽減するために高額療養費支給制度が各医療保険に設けられている。健康保険では(1)自己負担限度額を1ヵ月6万3600円(低所得者は3万5400円)としこれを超えた額,(2)同一世帯で1ヵ月の支払が3万円(低所得世帯は2万1000円)を超える患者が2人以上生じた場合,それを合算して6万3600円(同3万5400円)を超えた額,(3)同一世帯で1ヵ月6万3600円(低所得世帯は3万5400円)の支払が1年間で4回以上になった場合,4回目からの自己負担限度額を3万7200円(同2万4600円)とし,その超過額,(4)血友病等,高額で長期療養が必要な場合には自己負担限度額を1ヵ月1万としその超過額を高額療養費として全額支給することになっている。他の医療保険でも健康保険に準じた取扱いである。
執筆者:石本 忠義+大内 講一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報