鬲・鼎(読み)れき・てい

旺文社世界史事典 三訂版 「鬲・鼎」の解説

鬲・鼎
れき・てい

古代中国の三足の土器青銅礼器
いずれも三足で立つのが特徴で,鬲は足が袋状(中空)になっており,湯をわかしたり穀物を蒸したりした。竜山文化期に土器としてさかんに使われた。鼎は足が棒状になっており,仰韶 (ぎようしよう) 文化後期には肉などを煮るために使われていた。ともに殷周時代には礼器として用いられ,特に鼎は「鼎 (かなえ) の軽重を問う」の故事が示すように重要な器であった。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鬲・鼎の言及

【鼎】より

…文様には饕餮文のほか,虺竜文(きりゆうもん),夔鳳文,蟬文(せんもん)などがある。西周代初期には底部が(れき)状になった特殊な形式の鬲鼎(分襠鼎(ぶんとうてい))が盛行した。西周代には一般に底の丸みが少なくなり,胴部が扁平になる。…

※「鬲・鼎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android