軽重(読み)キョウジュウ

デジタル大辞泉の解説

きょう‐じゅう〔キヤウヂユウ〕【軽重】

けいちょう(軽重)」に同じ。
「頸械(くびかせ)手杻(てかせ)を入れられ、罪の―を糺(ただ)すらんも」〈太平記・二〉

けい‐じゅう〔‐ヂユウ〕【軽重】

けいちょう(軽重)」に同じ。
「其九人の中に―愛憎と云うことは真実一寸ともない」〈福沢福翁自伝
音声の高低抑揚。日本古来の韻学では、清音で始まる音を「」、濁音で始まる音を「重」とし、前者は高く始まり、後者は低く始まるとしている。きょうじゅう。

けい‐ちょう【軽重】

重量の軽いことと重いこと。また、その度合い。重さ。目方。けいじゅう。「品物の軽重を問わず料金は同一」
価値や程度の小さいことと大きいこと。また、その度合い。けいじゅう。「人の命に軽重はない」
軽んずることと重んずること。また、その度合い。けいじゅう。「軽重の差をつける」「鼎(かなえ)の軽重を問う」

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精選版 日本国語大辞典の解説

きょう‐じゅう キャウヂュウ【軽重】

〘名〙 軽いか重いかということ。主に罪の重さなど、抽象的な事柄についていう。けいじゅう。けいちょう。
※続日本紀‐和銅七年(714)六月癸未「大赦天下、〈略〉罪無軽重

けい‐じゅう ‥ヂュウ【軽重】

〘名〙 (「じゅう」は「重」の慣用音)
① 物の重量の軽いことと重いこと。けいちょう。
※俳諧・本朝文選(1706)三・賦類・旅賦〈許六〉「馬士(まご)駕籠舁(かごかき)は、軽重に日月を送り」
② 物事の価値や程度の大小。けいちょう。
※将門記(940頃か)「罪に軽重なくして」
※福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉品行家風「私に九人の子供があるが、其九人の中に軽重(ケイヂウ)愛憎と云ふことは真実一寸ともない」 〔書経‐呂刑〕
③ 音声の高低。抑揚(よくよう)
※悉曇蔵(880)五「承和之末正法師来。初習洛陽、中聴大原、終学長安。声勢太奇。四声之半、各有軽重。平有軽重、軽亦軽重、軽之重者、金怒声也。上有軽重。軽似合金声平軽上軽、始平終上呼之。重似金声上重、不突呼之。去有軽重。重長、軽短。入有軽重。重低、軽昂」
※史記抄(1477)一〇「土地のかわりめに依て音の清濁軽重ありと見へたり」
④ (━する) 比較して軽さ重さを計ること。けいちょう。
※日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉四「平家物語等と軽重し難しと雖ども」
⑤ (━する) 大なり小なりの影響を及ぼすこと。なんらかの影響を与えること。物事を左右すること。けいちょう。
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉一二「況んや我恵与の物とて誠に些細にして嚢中を軽重(ケイヂウ)するにも非ざるに於てをや」
[補注](1)現在は漢音で「けいちょう」と読むのが普通であるが、室町時代以前の資料では「きょうじゅう」と読まれているものが多い。
(2)(③について) 韻学では、清音で始まる音を「軽」として高く始まり、濁音で始まる音を「重」として低く始まるとしていた。

けい‐ちょう【軽重】

〘名〙 (「ちょう」は「重」の漢音)
※野分(1907)〈夏目漱石〉一「大小の区別のつく、軽重(ケイチョウ)の等差を知る」
③ (━する) =けいじゅう(軽重)
④ (━する) =けいじゅう(軽重)
※土(1910)〈長塚節〉二四「彼の一身の有無は少しも村落の為には軽重(ケイチョウ)する処がなかった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報