魯酒薄くして邯鄲囲まる(読み)ろしゅうすくしてかんたんかこまる

故事成語を知る辞典 「魯酒薄くして邯鄲囲まる」の解説

魯酒薄くして邯鄲囲まる

他人のせいで、思いがけない災難を受けることのたとえ。

[由来] 「荘子きょきょう」に出て来る一節から。ただし、「荘子」には詳しい説明はありません。後に作られた「経典釈文」という書物によれば、紀元前四世紀、戦国時代の中国でのこと。という国の王が、各国の王を呼び集めて会合を行った際、という国の王が持参した酒が薄かったので、楚王は不満に思い、その問題がこじれて、ついに楚が魯に攻め込むこととなりました。すると、かねがねちょうという国に攻め込みたいと思いつつ、楚への警戒心から軍隊を動かせずにいたという国が、今がチャンスとばかりに、趙を攻撃、その都の邯鄲を包囲してしまった、ということです。また、同書で紹介されている別の説では、楚王に魯と趙から酒が届けられたときのこと。魯の酒は薄く、趙の酒は濃いのに気づいた役人が、趙の酒を欲しがりましたが、趙はそれを拒絶しました。そこで、その役人が腹いせに、魯の薄い酒を趙の酒だといつわって王に差し出したため、王は趙が無礼を働いたと感じ、趙に攻め込んでその都の邯鄲を包囲してしまったそうです。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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