濃い(読み)コイ

デジタル大辞泉 「濃い」の意味・読み・例文・類語

こ・い【濃い】

[形][文]こ・し[ク]
色合いが強い。「墨が―・い」「―・いあい染め」⇔薄い淡い
においや味などが強い。「塩味が―・い」「百合の―・い香り」⇔薄い淡い
液体の中に溶けている物質割合が高い。「―・くいれたコーヒー」⇔薄い
密度が高い。充実している。また、ぎっしりと並んだり詰まったりしている。「霧が―・い」「内容が―・い」「眉が―・い」「魚影が―・い」⇔薄い
度合いが強い。「化粧が―・い」「並木が―・い影を落とす」⇔薄い
可能性などの程度が高い。「敗色が―・い」「犯人である疑いが―・い」⇔薄い
関係が密接である。「血のつながりが―・い」
俗に、容貌性格などに際だった特徴がある。また、一つのことにのめり込んでいる。「目鼻立ちの―・い顔」「芸人の中でも特に―・い連中が集まる」
[派生]こさ[名]
[類語](1)(2深いこまやか濃密濃厚濃度色濃い濃厚くどいしつこいこってり脂っこいこてこてぎたぎたぎとぎとねっとり脂ぎる脂ギッシュオイリー毒毒しいごてごて/(4稠密ちゅうみつ密集過密ぎゅうぎゅうぎしぎしぎちぎちきちきちぎっしりびっしりすし詰め目白押し/(7近い緊密接近密接親近近接不可分切っても切れない水いらず親しい近しい心安い気安いむつまじい親密懇意昵懇じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹仲良し・仲が良い・気が置けない人なつこい取っ付きやすい

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精選版 日本国語大辞典 「濃い」の意味・読み・例文・類語

こ・い【濃】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 色が深い。色の感じが強い。
    1. [初出の実例]「勤(こん)の八級には深緑。務(む)の八級には浅(うすき)(〈別訓〉あさ)緑。追(つい)の八級には深(コキ)(はなた)。進(しん)の八級には浅縹」(出典日本書紀(720)持統四年四月(寛文版訓))
    2. 「花の色はただひとさかりこけれども返す返すぞ露はそめける〈高向利春〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四五〇)
  3. 特に染色で、紫または紅の色の深いさまをいう。
    1. [初出の実例]「それなむいとこきかいねりきたりける」(出典:大和物語(947‐957頃)一〇三)
  4. 中に溶けているものの割合が高い。濃度が高い。
    1. [初出の実例]「沈・丁子をこく煎じて入れたり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
  5. 味、においなどが強い。
    1. [初出の実例]「苦(にが)く渋(しぶ)くして滋(コキ)味無けむ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
    2. 「蝉のはのよるの衣はうすけれどうつりがこくもにほひぬるかな〈紀友則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八七六)
  6. 生え方、塗り方などが厚く密である。
    1. [初出の実例]「果実も並に滋(コク)(しげ)くして大地に充満せしめ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九)
    2. 「鼻ばかり別に白粉を濃(コ)く付たら」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)
  7. 情交が密である。関係が密接である。
    1. [初出の実例]「などてかくはひあひがたき紫を心に深く思ひそめけむ、こくなりはつまじきにや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
    2. 「濃い親類を持たないことを思ひあはすと」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉二)
  8. 疑いや可能性などの程度が大きい。よりその傾向が強い。
    1. [初出の実例]「他殺の疑いが濃い」(出典:天城越え(1959)〈松本清張〉二)

濃いの語誌

( 1 )「うすい」の密度・濃度を表わす用法と対義関係にある語。
( 2 )上代には語幹「こ」の複合語が見られるのみで、形容詞としての確例は見えない。中古以降は、主として色や味について用いられる。

濃いの派生語

こ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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