普及版 字通 「鷙」の読み・字形・画数・意味
鷙
22画
[字訓] あらどり・とらえる・うつ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は執(しゆう)。〔説文〕四上に「する鳥なり」とし、執声とするが、〔段注〕には会意にして、鳥を執殺するものであるという。〔荘子、在宥〕の「卓鷙(たくし)」は正しく進まないさま、〔管子、五輔〕の「鷙(ふくし)」は疑いかくす意、また〔管子、小問〕「鷙(しきよ)」は疑うてとどまる意で、鷙にはもと摯・蟄・と似た意があったのであろう。これを猛禽の意に用いるのは、のちの転義のように思われる。
[訓義]
1. あらどり、猛禽。
2. あらい、たけだけしい、もとる。
3. うつ、とらえる。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕鷙 多賀(たか)。日本紀私記に云ふ、知(くち)。兩字、にして屈(くつ)と讀む。百濟(くだら)の俗に、鷹を號(よ)んで知と曰ふ。 〔字鏡〕鷙 ツク・ハクハ・タカ・クチ、俗に云ふ、賀閇(かへる)〔字鏡集〕鷙 クチ・タカ・トラフ・ツク
[語系]
鷙tjiuatは執tjip声。tiutは馬の重い皃、tjipは怖れる、蟄dipは蔵(かく)れる、また摯tjietに握持の意がある。いずれも声義に関連するところがある。
[熟語]
鷙悪▶・鷙害▶・鷙悍▶・鷙距▶・鷙梟▶・鷙彊▶・鷙禽▶・鷙獣▶・鷙隼▶・鷙鳥▶・鷙忍▶・鷙愎▶・鷙猛▶・鷙勇▶・鷙戻▶
[下接語]
攫鷙・悍鷙・驕鷙・撃鷙・虎鷙・剛鷙・残鷙・隼鷙・捷鷙・卓鷙・鷙・忍鷙・搏鷙・愎鷙・忿鷙・猛鷙・勇鷙・鷹鷙
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報