多賀(読み)たが

精選版 日本国語大辞典 「多賀」の意味・読み・例文・類語

たが【多賀】

  1. [ 一 ] 茨城県北東部の郡名。北茨城・高萩の各市および日立市の北部に相当。
  2. [ 二 ] 兵庫県淡路市の地名。淡路国一宮伊弉諾(いざなぎ)神宮がある。
  3. [ 三 ] 陸奥国宮城郡の郷名。現在の宮城県多賀城市あたりをいう。上古より奥州の鎮所とされ多賀城が置かれた。天平(七二九‐七四九)以後は国府として中世に至るまで栄えた。
  4. [ 四 ] 滋賀県犬上郡の地名。多賀大社門前町として発達した。

たか【多賀】

  1. ( 「たが」とも ) 山城国綴喜(つづき)郡の郷名。現在の京都府綴喜郡井手町の一帯にあたる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多賀」の意味・わかりやすい解説

多賀(町)
たが

滋賀県中東部、犬上郡(いぬかみぐん)にある町。1941年(昭和16)多賀、久徳(きゅうとく)、芹谷(せりたに)の3村が合併して町制施行。1955年脇ヶ畑(わきがはた)、大滝の2村と合併。東は鈴鹿(すずか)山脈で、山脈に発して西流する犬上川と芹(せり)川の流域の町。上流域は石灰岩山地でカルスト地形が発達し、芹川上流に鍾乳洞(しょうにゅうどう)「河内の風穴(かわちのふうけつ)」(県指定天然記念物)があり、セメント工場も立地した。近江鉄道(おうみてつどう)多賀線、国道306号、307号が通じ、名神高速道路の彦根インターチェンジ(彦根市)が町の北西に近隣している。中心の多賀は多賀大社の鳥居前町として発達した。多賀大社は古来、皇室の崇敬が厚く、御代参(ごだいさん)街道も通じていた。江戸時代には俗謡に「伊勢(いせ)にゃ七度、熊野へ三度、お多賀様へは月参り」と歌われるほどにぎわった。多賀神社奥書院庭園は国指定名勝。付近の敏満寺(びんまんじ)集落は古代の東大寺領水沼荘(みぬまのしょう)の地で、胡宮(このみや)神社社務所庭園は国指定名勝。農業と林業が主であるが、びわ湖東部中核工業団地が造成され、キリンビール滋賀工場なども立地している。面積135.77平方キロメートル、人口7274(2020)。

高橋誠一

『『多賀町史』全2巻(1991、1995・多賀町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「多賀」の意味・わかりやすい解説

多賀[町] (たが)

滋賀県東部,犬上郡の町。人口7761(2010)。町域は芹川と犬上川の流域にあたり,湖東平野の一部と鈴鹿山脈北部の石灰岩山地からなる。中心集落の多賀は多賀大社の鳥居前町として発達し,近江鉄道多賀線の終点となっている。米作のほか,酪農をとり入れた農業と林業が行われるが,近年人口流出が著しい。このため企業誘致と宅地開発に力を入れ,琵琶湖の水を利用したビール工場などが誘致されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「多賀」の意味・わかりやすい解説

多賀[町]【たが】

滋賀県東部,犬上(いぬかみ)郡の町。湖東平野から鈴鹿山脈の西斜面までを含める。中心集落は多賀大社の鳥居前町として発達,近江(おうみ)鉄道多賀線が通じる。米,林産物を産する。繊維,ビールの工場が立地,山地は石灰岩が多く,セメント工場がある。135.77km2。7761人(2010)。
→関連項目水沼村

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多賀」の意味・わかりやすい解説

多賀
たが

静岡県東部,伊豆半島東岸熱海市地区。旧村名。網代温泉の一部をなし,海岸寄りにホテル,旅館,民宿が多い。遠浅で波静かな海岸で,夏のシーズンには海の家が開かれ,海水浴場や舟釣り,磯釣りの好適地。背後の日当りのよい傾斜地にミカン園の造成が目立つ。熱海市指定文化財としての鹿島踊,水浴びせ式の行事で知られる多賀神社などがある。

多賀
たが

茨城県北東部,日立市中部の商工業地区。旧町名。 1955年日立市に編入。電機関係の大工場が立地。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「多賀」の解説

たが【多賀】

滋賀の日本酒。酒名は、地元の多賀神社に由来し、「賀(よろこび)」多い酒として命名。大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒などがある。全国新酒鑑評会で受賞実績多数。原料米は山田錦、五百万石など。仕込み水は鈴鹿山系の伏流水。蔵元の「多賀」は昭和42年(1967)創業。所在地は犬上郡多賀町大字中川原。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「多賀」の解説

多賀

滋賀県、多賀(たが)株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の多賀の言及

【熱海[市]】より

…静岡県東端,伊豆半島北東岸の市。1937年熱海町が多賀村と合体して市制。57年網代(あじろ)町を編入して現在の熱海市となった。…

【井手[町]】より

…米作を中心とした農業が主産業であったが,JR奈良線と国道24号線が南北に走り,交通の便がよいため近年は住宅地化が著しい。南東部の奥地にある田村新田は18世紀に開発された新田集落であり,多賀の集落はかつての高麗人の里といわれている。【松原 宏】。…

【水沼村】より

…東大寺の近江国犬上郡の荘園。現滋賀県犬上郡多賀町敏満寺・大尼子の南部一帯。正倉院所蔵の東大寺開田図のうち,751年(天平勝宝3)の〈近江国水沼村墾田地図〉が〈近江国覇流(へる)村墾田地図〉とともに麻布に一幀とされて遺存している。…

※「多賀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android