黒売刀自(読み)くろめとじ

朝日日本歴史人物事典 「黒売刀自」の解説

黒売刀自

生年生没年不詳
7世紀ごろの群馬県所在山ノ上古墳被葬者。首長層の刀自。息子の放光寺僧長利が,上野三碑のひとつ,山ノ上碑を建立。碑には,「佐野の三家の子孫黒売刀自が新川臣の子孫大児臣を娶って生んだ僧長利が,母のために記した文である」と刻まれており,古墳被葬者が確実にわかる珍しい例である。佐野三家は有力首長であり,刀自とはトネとペアで地域社会を統括する役割を持つ地域の指導的女性だった。古代婚姻形態や系譜など解明糸口を提供する女性である。<参考文献>服藤早苗「古代の母と子」(『日本の古代』12巻)

(服藤早苗)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒売刀自」の解説

黒売刀自 くろめとじ

?-? 飛鳥(あすか)時代の女性。
群馬県高崎市の山ノ上古墳の被葬者。古墳のかたわらの天武天皇10年(681)の銘がある山ノ上碑は,子の僧長利が有力首長の佐野三家(さぬのみやけ)の子孫である母のためにしるし,たてたもの。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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