或る女のグリンプス(読み)アルオンナノグリンプス

デジタル大辞泉 「或る女のグリンプス」の意味・読み・例文・類語

あるおんなのグリンプス〔あるをんなの‐〕【或る女のグリンプス】

有島武郎長編小説。明治44年から大正2年(1911~1913)にかけて、雑誌白樺」に連載。後に改稿され、長編或る女」(大正8年(1919)刊)の前編となる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の或る女のグリンプスの言及

【或る女】より

有島武郎の長編小説。前編は1911‐13年(明治44‐大正2)《白樺》に連載した《或る女のグリンプス》を19年改稿したもの,後編は19年書き下ろした。主人公早月葉子(さつきようこ)は強烈な自我の持主で,因襲と束縛を断ち切って生きようとする新しい女であるが,生の源泉を男性にだけ求めようとし,経済的にも男性に頼る女性である。…

【白樺】より

…第1次大戦中は人道主義的要素も濃厚となり,周辺にはその影響を受けた衛星誌が輩出。《白樺》の全盛期には生田長江らの批判もあったが,有島武郎の《或る女》の前編《或る女のグリンプス》,武者小路の戯曲《その妹》,志賀の《城の崎にて》,長与の戯曲《項羽と劉邦》などもこの《白樺》に掲載され,近代文学史に残る名作の広場としての役割を果たした。《白樺》終刊後も彼らの友情は永続し,その影響は抜群で,いわゆる〈白樺山脈〉を形成した。…

※「或る女のグリンプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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