阿努郷(読み)あのごう

日本歴史地名大系 「阿努郷」の解説

阿努郷
あのごう

和名抄」所載の郷。訓を欠くが、「努」字について備中国小田おだ郡の甲努こうの郷の訓を「加布乃」(和名抄)、摂津国西成にしなり郡の美努みの(天平二〇年四月二五日「写書所解」正倉院文書)三野郷(和名抄)とも表記しており、「阿努」の訓はアノが妥当であろう。「阿努」字は、天平宝字三年(七五九)一一月一四日の射水郡鳴戸開田地図(福井成功氏旧蔵)の北東隅に「射水郡古江郷戸阿努君具足」、「万葉集」巻一九の天平勝宝三年(七五一)八月五日作歌の題詞に「射水郡大領安努君広嶋」の名がみえ、奈良時代に「安努」とも表記されたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android