加納(読み)かのう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

加納
かのう

岐阜県,岐阜市の中心市街地の一部で,JR東海道本線の南側にある地区。慶長6 (1601) 年に徳川家康が加納城を築城し,奥平氏を封じてから城下町となり,中山道宿場町も兼ねて発展した。以来明治期にいたるまでこの地方の政治の中心地であった。城郭は 1873年に取りこわされ,石垣のみが残る。下級武士の内職によって生産したといわれる加納傘と呼ぶ雨傘の産地であったが,現在は日傘とともに伝統的特産品としてのみ生産されている。名古屋鉄道の加納駅がある。

加納
かのう

平安時代中期の 11世紀中葉以降において,荘園の本田以外に,本田の田租に加えて,荘園領主に田租を納める田地のこと。荘園拡大の槓杆 (こうかん) とされたため,延久1 (1069) 年の荘園整理令以後,特に荘園整理の対象となった。 12世紀の初頭からは,国司の新任のたびごとに,新立荘園を停止し,加納田を停廃すべき宣旨を申請する例となる。

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百科事典マイペディアの解説

加納【かのう】

美濃(みの)国(岐阜県南部)の城下町中山道宿駅。現在の岐阜市街南部に位置した。15世紀頃,加納郷に真宗寺院の円徳寺を中心として寺内町が形成され,1567年織田信長は加納市楽市としている。1601年奥平信昌が10万石で入封(加納藩),加納城を中心とした城下町が形成され,加納市も城下に吸収された。江戸時代は北の岐阜町に対して加納宿を中心に商業都市として発展したが,加納藩が2万3000石の小藩になったことなどから,城下の発展は阻害された。物産として加納傘が知られる。→岐阜[市]
→関連項目荘園(日本)

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世界大百科事典 第2版の解説

かのう【加納】

11~12世紀の荘園発展期において,荘地拡大の一手段として,荘民が出作している公田や,荘内に一部入作している公民の耕作する公田等を,荘田と主張し本免田(免田)の付属地として荘内にとり込むことをいい,そのような田地を加納田という。本免田を本田というのに対して,加納田は加納余田ないし単に余田ともいう。1069年の延久の荘園整理令は,1045年の寛徳整理令以後の新立荘園の停廃とともに,このような加納余田の収公を眼目としたが,院政期には新立荘園が増加するとともに,既存の荘園は広大な加納田を加えて,一円不輸の荘園として確立していった。

かのう【加納】

美濃国(岐阜県)厚見郡の城下町,中山道の宿駅。近世では上加納村(のち4村に分村),御園町,加納町,下加納村をさすが,御園町は正確には上加納村の一部であり,加納町も上・下加納両村にまたがって形成されたものである。1601年(慶長6)加納藩の創設にともない,加納城(中世の斎藤利永の城跡)と城下町建設が開始されたが,その際に岐阜城が解体されて加納城に使われ,また岐阜町辺の古家材なども用いられたという。織田信長の制札で有名な加納楽市場(加納市)は,上加納にあった円徳寺門前の寺内町といわれ,のちの加納町とは少し位置が違うように思われるが詳しいことは現在のところ不明。

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大辞林 第三版の解説

かのう【加納】

荘田の一種。荘民が免税地(本免)以外に耕作した公田。また、これに課税すること。加納田。

かのう【加納】

岐阜市南部の地名。加納藩の城下町・中山道の宿場町。和傘・提灯ちようちん・美濃紙を特産する。

かのう【加納】

姓氏の一。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

加納
かのう

岐阜市南部の一地区。旧加納町。JR岐阜駅の南に位置し、名古屋鉄道本線の加納駅がある。江戸時代には加納藩の城下町、中山道(なかせんどう)の宿場町であった。関ヶ原の戦い(1600)後、徳川家康はこの地に着目し、西に対して備えるべく、岐阜城を廃して加納の旧城を拡充修築させ、奥平(おくだいら)氏10万石の居城とし、江戸幕府の軍事的拠点とした。その役割はのちに失われ、禄高(ろくだか)3万2000石に縮小されるに伴い、藩勢が衰え、藩士は窮迫して、和傘製造の内職に頼らねばならなかった。この和傘製造は、伝統工業として現在も受け継がれている。加納城跡は国の史跡となっていて、加納公園として整備されている。[上島正徳]

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精選版 日本国語大辞典の解説

か‐のう ‥ナフ【加納】

※東大寺文書‐四・一〇・延久二年(1070)七月七日「謂其年限、皆起請以後加納也者」

かのう カナフ【加納】

岐阜市南部の地名。江戸時代、加納藩の城下町、中山道鵜沼と河渡(ごうど)の間の宿駅として発達。和傘の生産で知られる。

かのう カナフ【加納】

姓氏の一つ。

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