360円レート(読み)さんびゃくろくじゅうえんレート

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「360円レート」の意味・わかりやすい解説

360円レート
さんびゃくろくじゅうえんレート

戦後,日本経済復興の経済九原則に基づき,連合国総司令部 GHQ司令官経済顧問ジョセフ・ドッジが決定し,1949年4月 25日から実施された円の対ドル為替レート。 71年 12月に1ドル=308円のスミソニアン・レートに移行するまで継続した。単一為替レート設定計画の段階では,ラルフ・ヤングによる 270円ないし 330円のレートが勧告されたが,GHQの受入れるところとはならなかった。 360円レートは高度成長期においてはかなりの円安レートであったために輸出に有利に作用したが,当初は国際収支危機が生じるたびに制約条件となり,政府経済政策が引締めに転換せざるをえない状況をつくり出した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android