経済九原則(読み)けいざいきゅうげんそく(英語表記)9 economic principles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済九原則」の意味・わかりやすい解説

経済九原則
けいざいきゅうげんそく
9 economic principles

1948年 12月,アメリカ政府から連合国最高司令官総司令部 GHQを通して日本政府 (吉田茂内閣) に指令された強力なインフレ収束策。単一為替レートを設定するための国内的準備態勢の整備が目的であり,これら施策の推進によって所期の成果はほぼ達成されるにいたった。その内容は,(1) 財政支出をきびしく引締め,すみやかに真の総合予算の均衡をはかる,(2) 税収計画の実施の促進強化および脱税者に対しては徹底的な刑事訴追措置の実施,(3) 融資は真に経済復興に貢献する事業に限定する,(4) 賃金安定の実現,(5) 価格統制計画の強化,(6) 外国貿易統制事務の改善と外国為替統制の強化,(7) 輸出貿易振興のための割当てと配給制度の改善,(8) 重要国産原料と工業製品の生産増大,(9) 食糧供出計画の能率向上で,これらの原則は翌年ドッジ・ラインシャウプ勧告に基づく税制改革に引継がれた。

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百科事典マイペディア 「経済九原則」の意味・わかりやすい解説

経済九原則【けいざいきゅうげんそく】

1948年12月,米国政府がマッカーサーを通じて日本政府に指令した日本経済安定のための政策。財政の均衡,徴税の促進,融資制限,賃金の安定,物価統制,貿易・為替の管理,輸出振興,生産増強,食糧供出の促進という9項目からなる。翌年ドッジ・ラインとして具体化

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