6BB1

日本の自動車技術240選 「6BB1」の解説

6BB1

・中型トラック用エンジンとして,シリンダ当り排気量が0.9L/CYLという,当時世界最小の直接噴射式ディーゼル機関である。・燃焼室はユニークな四角トロイダル形を採用し,広範囲な回転域において適切なスワールマッチングが実現し,排ガス性能の向上に寄与した。・シリンダライナは耐久性に優れた実績をもつドライ式1.5mm厚クロマードライナを採用している。・直接噴射式エンジンには,世界初の始動補助装置としてグロープラグをシリンダヘッドに装着し,-25℃の寒冷時でも優れた始動性を実現した。・本エンジンは,その後の小~中型トラック用エンジンの直接噴射化の端緒となった記念すべきエンジンである。・6B系エンジンは4/6シリンダのシリーズエンジンとして開発・生産され,いすゞの小型トラック(エルフ)~中型トラック(フォワード)の搭載エンジンおよび産業用,マリン用分野で広く活躍した。保管場所いすゞ自動車株式会社 開発管理室 技術情報管理担当 (〒210-8524 川崎市川崎区殿町3-25-1)
製作(製造)年1972
製作者(社)いすゞ自動車株式会社
資料の種類設計図・文献
現状保存・非公開
型式6BB1型
種類ディーゼル
会社名いすゞ自動車株式会社
実物所在なし
搭載車種フォワード/中型トラック,バス
製作開始年1972
設計者荒井靖平,松下雅史
シリンダ配列・数直列6気筒
サイクル/冷却方式4/水冷
弁型式/数OHV/ 2弁
燃焼方式直接噴射
燃焼室4角燃焼室
総排気量5.393L
内径×行程102×110mm
圧縮比17.5
質量(重量)475kg
寸法1088×772×760mm
噴射ノズル多孔式
最高出力/回転数107kW(145PS)/3200rpm
最大トルク/回転数343N・m(35kgm)/2000rpm
燃料消費率231g/kWh(170g/PSh)/2000rpm
排気ガス対応なし
過給機形式なし
インタークーラーなし
可変装置なし
エピソード・話題性・ピストンの燃焼室形状は,特許出願の四角トロイダル型特殊燃焼室形状で,広い回転域でスワールの適切なマッチングができ,良好な出力排ガス性能が得られ,その後の異形燃焼室採用の端緒となった。・自動車用では世界最小のCYLあたり排気量の直噴エンジンとして,1973年に日本機械学会賞を受賞した。
特徴・直噴ディーゼル・四角トロイダル型燃焼室・始動装置に直噴初のグロープラグ採用・4/6CYLシリーズエンジン
参考文献・伊藤常浩,吉田嘉孝「いすゞニューフォワード月6BB1ディーゼル機関」内燃機関 Vol. 12 No.133, p.55-62, 1973.1・いすゞディーゼル50年史 1987年5月
その他事項通称名:6BB1;協力者:吉田嘉孝;吸気方式:自然吸気;燃料供給方式:ボッシュ式A形;点火方式:圧縮着火式;始動補助装置:予熱プラグ;三元触媒:なし;トーショナルダンパ:ラバー式;

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報

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