改訂新版 世界大百科事典 「POSDCORB」の意味・わかりやすい解説
POSDCORB (ポスドコルブ)
上級管理者による主要な管理機能を類別し,その頭文字を組み合わせた造語。Pは計画化ないし企画planning,Oは職位の配分,割りつけなどの組織編成organizing,Sは人員配置や研修等の人事管理staffing,Dは計画,企画の命令directing,次のCOの2文字は上級管理機能の核心に置かれる調整co-ordinating,Rは文書による報告reportingを中心としたコミュニケーション管理,そしてBは予算編成budgetingにはじまる財務管理をそれぞれ意味している。この造語を作ったのは,伝統的な行政管理論の集大成者として知られるL.H.ギューリックで,彼の代表的業績《組織理論ノート》の中で初めて定式化された。今日でもトップ・マネジメントの内容を示すのに用いられるが,その反面,1930年代に一応の確立をみた伝統的な〈管理の科学〉におけるさまざまな過誤を象徴的に表現するために引用されることも多い。
執筆者:今村 都南雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報