T
てぃー
英語アルファベットの第20字。セム語アルファベットの最終字tawを起源とし、ギリシア文字タウ(τ)を経由し、ラテン語に取り入れられたが、その字体は長い歴史を通じてほとんど変化していない。小文字tはラテン文字の筆記体から発達して成立した。数学では、位相空間における閉鎖集合と点との関係を示す記号であり、また、重量の単位ではトンtonを表す(tと記す)。アメリカの軍事用語では練習機trainerを意味し(T‐11など)、中世ローマ数字では160を表す。T定規などのようにT字形の意味によく使われ、to a Tは「正確に」「完全に」という意味を表す。また、英語では'tは、口語ではnotの省略形can't=cannotとして、詩ではitの省略形'tis=it isとして用いられる。
[斎藤公一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
知恵蔵
「T」の解説
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
世界大百科事典(旧版)内のTの言及
【調性】より
…広義には,音楽に用いられる旋律や和声が,一つの音(主音)を中心としてこれに従属的にかかわっている現象をいい,狭義には,18,19世紀のヨーロッパの芸術音楽の中心的語法であった機能和声的調性を意味する。したがって広義には5音音階その他の特殊な音階による民謡や教会旋法に基づく音楽も中心音性があれば調性をもつこととなるが,この場合狭義の調性と区別して旋法性modalityという。今日一般に調性といった場合,狭義の機能和声的調性を意味する場合が多い。…
【和声】より
…広義には,ヨーロッパ音楽では中世のオルガヌム以降,ルネサンスのポリフォニー音楽などに,まだ十分に規則化されない和声現象が豊かにみられ,また民族音楽においても,ガムラン,雅楽などをはじめとして多くみられる。しかし和声という概念は,本来ヨーロッパ音楽において用いられた概念であり,民族音楽においては,これと区別して多音性あるいは多声性Mehrstimmigkeitという概念でとらえるのが普通である。
[機能和声functional harmony]
機能和声法とは,おもに17世紀終りから20世紀初頭までの長・短調([調],[長調])の音階に基づくヨーロッパ音楽を支配した和音連結の法則であり,作曲技法の基礎であった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」