字体(読み)じたい

精選版 日本国語大辞典「字体」の解説

じ‐たい【字体】

〘名〙 文点画による構成のあり方。基準となる正体やそれに対する異体、俗体略体の別など。また、楷書体・行書体・草書体などの文字の書き方や印刷の活字様式など。書体。
壒嚢鈔(1445‐46)九「礼部 と云也日本にも、近代此字体を本と為すと云々」
※蘭東事始(1815)上「夫より彼国の字体・文章等の事抔(など)も、荒増(あらまし)聞書し持帰りし事ありたり」 〔王羲之‐題衛夫人筆陣図〕
[補注]常用漢字表では「文字の骨組み」と説明し、その具体的な形を明朝体活字のうちの一種を例として示したとしている。これは、観念的な骨格、「字体」と実際に即した様式、「書体」とを、区別する考えといえるが、この両語は実際上往々にして混用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「字体」の解説

字体
じたい

文字を構成する点画(字画)の組合せで、その字を他の文字から区別する観念・文字の骨組みをいう。この観念が具体的な形(字形・書体)をとって現れたのが、現実に目にみえる個々の文字である。漢字について一例をあげれば、〈くに〉という同一の意義、「くに」「コク」という同一のよみ(音・訓)をもつ字には国・國などの字体があり、それぞれについて一つ一つの点画が具体的にどの位置にあるかという微細な違いが字形の差として現れる。書体は、手書き文字では楷書(かいしょ)・行書・草書・隷書などをさし、印刷文字では明朝(みんちょう)体・清朝(しんちょう)体・ゴシック体など活字のデザインをいう。

[月本雅幸]

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デジタル大辞泉「字体」の解説

じ‐たい【字体】

一点一画の組み合わせからなる文字の形。定型化された点画の組み合わせ。一つの字でも、字画数の違いによって、正字俗字・新字・旧字などと区別する。
書体1」に同じ。

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世界大百科事典内の字体の言及

【常用漢字】より

…その前文に〈法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等,一般の社会生活で用いる場合の,効率的で共通性の高い漢字を収め,分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安〉とある。常用漢字表には,1945字の字種と,その字体,音訓,語例などが含まれる。漢字使用の目安というが,その目安については特に注を設けて,〈この表を無視してほしいままに漢字を使用してもよいというのではなく,この表を努力目標として尊重することが期待される〉と述べる一方で,〈この表を基に,実情に応じて独自の漢字使用の取決めをそれぞれ作成するなど,分野によってこの表の扱い方に差を生ずることを妨げない〉とも述べている。…

【書体】より

…文字には,それを書き表すとき同一文字においていろいろな様式の字形をとることがあり,これを書体という。書体は字体と同じく使われる場合があるが,それを区別するために,字体は例えば,楷書の活字で宋朝(そうちよう)体,明朝(みんちよう)体,清朝(しんちよう)体などとあるような,同一書体中でのバリエーションと定義づける。ここでは中国に発生した漢字とそれをもとに日本で作られた仮名(かな)について論じる。…

【タイポグラフィー】より

…タイプtypeは活字,フェースfaceは顔,面(つら)から転じて書体をいい,タイプフェースというとき印刷用文字書体一式を指す。文字の字体と書体は異なる。字体は文字の骨格で,書体は字体を前提として,デザインされたもので,字体にかぶせられた意匠,衣装であり,したがって創作者が存在する。…

【文字】より

…表意的とか表音的とかいう性質は体系としての〈文字〉についてみられるのではなくて,それぞれの体系を構成している個々の要素である〈字〉についていわれることなのである。 文字体系を構成するこの個々の字については,〈字体〉と〈字形〉という区別が問題とされる。字は具体的な形をもって実現されるが,それは書き手のちがいにより,また同一の書き手にあっても,1回ごとに異なる形で実現される。…

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