世界大百科事典(旧版)内のBürgerの言及
【市民社会】より
…日本の歴史学や社会科学において,通常,civil society,bürgerliche Gesellschaft(ドイツ語),société civile,société bourgeoise(ともにフランス語)などの訳語として使われている用語。〈市民階級〉〈市民革命〉〈市民法〉〈市民的自由〉などとともに,近代のヨーロッパ社会の特質を認識し指示するために考案され,第2次大戦後,とくに有力になった概念の一つである。…
【都市】より
…都市法の規定では,その前身のいかんを問わず,都市に在住して満1ヵ年を経過すれば自由となれるという,いわゆる市風自由Stadtluft macht freiの原則がうたわれていた。
[市民身分と市民意識]
中世都市がこのような自治を確立し,〈市民(ビュルガーBürger,シティズンcitizen)〉というまったく新しい社会階層を構成メンバーとする共同体となる経緯は,地域により時代によってまちまちであるが,その最初のきっかけをなしたのは,司教,大司教を都市領主とするライン川沿岸ならびに北イタリアのロンバルディア諸都市における反封建的または反領主的な暴動であり,その運動のイニシアティブをとったのは,アルプス以北にあってはもっぱら遠隔地商人の団体であった。遠隔地商人は前述のようにすでに10世紀の後半から各地に現れて組織的な活動を始め,封建領主の保護下に,ブルクや教会の近傍にある地の利を得たところにウィクWikと呼ばれる特殊な定住区をつくり出していた。…
※「Bürger」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」