市民革命(読み)しみんかくめい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

市民革命
しみんかくめい

ブルジョア革命とも呼ばれる。ブルジョアジー (市民階級) が階級支配を確立する革命であり,市民階級の経済的基礎である近代産業資本を確立するための闘争。政治的には絶対主義その他の封建権力を打倒し,ブルジョアジーおよび広く一般市民を解放し近代国家を樹立する急激な政治変革であり,その結果私有財産制が確立し政治的自由と立憲主義が志向される。経済的には,産業革命などにより封建社会の母体内ですでに進行している資本主義的発展を一層促進させ,封建的生産関係 (封建的地代あるいは農奴制) を一掃し,基本的生産手段である土地,労働,貨幣を地代,労賃,資本として市場機構のなかで全面的に商品化させ,資本主義的市場経済の形成に拍車をかける。革命の基本的任務は権力を奪取し,既存の成長過程にある資本主義的生産関係と合致させてその自由な発展を確保し,資本主義社会への道を大きく開くことにある。ブルジョア革命には大別して,貴族および地主を主導勢力とする不徹底なドイツ型と,農民,小ブルジョアを主体とする急進的なフランス型がある。例としては,イギリスの清教徒革命 (1640~60) ,アメリカ独立革命 (1775~83) ,フランス革命 (89~99) ,ドイツ三月革命 (1848) など。またブルジョア革命とプロレタリア革命は発展段階的な移行関係にあるのでなく,ロシア革命のようにそれが連結,融合する場合がある。

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百科事典マイペディアの解説

市民革命【しみんかくめい】

ブルジョアジーが中心となって,絶対王政を打破し,自ら政治的・経済的支配権を掌握した社会変革。この結果,封建的土地所有身分制度を基本とする封建制度は崩壊し,市民社会成立の契機となった。また政治的自由と私有財産制が確立されて資本主義社会への道をひらき,三権分立の原則に基づく近代国家が樹立された。17世紀英国のピューリタン革命名誉革命,18世紀のフランス革命,19世紀のドイツの三月革命(1848年革命),アメリカ独立革命などが典型とされる。→ブルジョア民主主義
→関連項目産業革命政党絶対王政封建的土地所有ホブズボーム

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世界大百科事典 第2版の解説

しみんかくめい【市民革命 bürgerliche Revolution[ドイツ]】

市民革命というのは,一般的には,封建的・絶対主義的な社会および国家権力を解体させて,近代に特有な市民社会を実現させるような革命をいい,具体的には,イギリス革命(ピューリタン革命および名誉革命),アメリカ独立革命フランス革命などがそれに属するとされる。だが,市民革命によって実現される市民社会なるものは,一方で,自由・平等な個人の結合体としてのcivil societyの側面をもち,また他方で,ブルジョアジーの支配する資本主義社会ないしブルジョア社会bürgerliche Gesellschaftという側面をもっている。

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大辞林 第三版の解説

しみんかくめい【市民革命】

新興の産業資本家を主体とする市民階級が封建権力や絶対主義権力を倒し、国家権力を掌握する政治変革。封建的秩序を解体し、議会制の確立、身分制の廃止、営業の自由に代表される近代市民社会を確立した。フランス革命やピューリタン革命の類。ブルジョア革命。

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世界大百科事典内の市民革命の言及

【啓蒙思想】より

… 一口に啓蒙思想といっても,そのあらわれ方は,近世における西欧各国の歴史的展開の違いに応じて,時期的にも,またとりわけ内容的にも,大きな違いがある。17世紀にいちはやく市民革命をなしとげたイギリスは,当然啓蒙思想の口火を切るという栄誉をになうが,ここでは,その内容はおおむね穏健であり,認識論においては経験論,宗教に関しては理神論といった考えが大勢を占める。一方,市民階層の形成におくれをとったフランスにあっては,フランス革命を頂点とする18世紀が啓蒙思想の開花期となるが,ここでは,先進のイギリス思想に多くを学びながら,啓蒙思想はすくなくとも一翼において,唯物論,無神論などといったより徹底した過激な形態を示す。…

【国民】より

…ただ絶対主義国家は絶対君主を頂点とし,官僚制と常備軍に支えられて,何よりもまず統治機構として成立したため,国民は統治の対象として受動的な位置にとどめられていた。それを逆転させて,国民を主体的・能動的立場においたのは市民革命である。市民革命の論理は,それまで君主の手中にあった主権を奪取して国民の手中におくことであった。…

※「市民革命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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