化学辞典 第2版 「N-ブロモアセトアミド」の解説
N-ブロモアセトアミド
ブロモアセトアミド
N-bromoacetamide
C2H4BrNO(137.96).CH3CONHBr.略称NBA.アセトアミドの臭素溶液に,氷冷下水酸化カリウム水溶液を加えて反応させたのち,クロロホルム抽出によって得られる.針状晶.融点102~103 ℃.一水和物は板状晶.融点70~80 ℃.水,エーテル,エタノールに易溶,クロロホルムに可溶.N-ブロモ基は求電子性に富んでいるため酸化性があり,第一級,第二級アルコールの酸化に用いられ,とくにステロイド化合物の第二級ヒドロキシ基は選択的にカルボニル基に酸化される.酸性でタンパク質に作用させると,トリプトファン残基が酸化される.ハロゲン化水素と反応して,BrCl,BrFなどを与える.[CAS 79-15-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報