POSDCORB(読み)ポスドコルブ

改訂新版 世界大百科事典 「POSDCORB」の意味・わかりやすい解説

POSDCORB (ポスドコルブ)

上級管理者による主要な管理機能を類別し,その頭文字を組み合わせた造語。Pは計画化ないし企画planning,Oは職位の配分,割りつけなどの組織編成organizing,Sは人員配置や研修等の人事管理staffing,Dは計画,企画の命令directing,次のCOの2文字は上級管理機能の核心に置かれる調整co-ordinating,Rは文書による報告reportingを中心としたコミュニケーション管理,そしてBは予算編成budgetingにはじまる財務管理をそれぞれ意味している。この造語を作ったのは,伝統的な行政管理論の集大成者として知られるL.H.ギューリックで,彼の代表的業績《組織理論ノート》の中で初めて定式化された。今日でもトップ・マネジメントの内容を示すのに用いられるが,その反面,1930年代に一応の確立をみた伝統的な〈管理の科学〉におけるさまざまな過誤を象徴的に表現するために引用されることも多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のPOSDCORBの言及

【行政】より

…アメリカの行政学者L.ギューリックは組織の最高管理者が担うべき管理機能として以下の七つの機能を列挙し,大規模な組織ではこれらの管理機能を分担して最高管理者を補佐する中枢管理機関の分化が必要であるとした。この七つの機能とは,planning計画,organizing組織,staffing人事,directing指揮監督,co‐ordinating調整,reporting報告,budgeting予算であり,ギューリックは各機能名の頭文字をつづりあわせて,POSDCORB(ポスドコルブ)なることばをつくりだした。この中枢管理機関とは,いいかえればライン組織(いかなる機能も有しない,純粋に数学的な組織)に対するところのスタッフ組織(機能的組織)である。…

※「POSDCORB」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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