改訂新版 世界大百科事典 「Qメーター」の意味・わかりやすい解説
メーター (キューメーター)
Q meter
高周波におけるコイルの品質係数Qを測定する測定器をいう。コイルの抵抗をR,周波数をf,インダクタンスをLとすると,Q=2πfL/Rで表すことができる。図の回路を用い,1-1′端子に測定しようとするコイル(R,L)を接続する。発振器(OSC)と熱電形電流計(M)を用いて一定電圧を低抵抗R0に供給する。コンデンサーの静電容量Cを変化させれば(2πf)2Lc=1のときに共振しコイルを流れる電流が最大,同時にCの端子電圧が最大となる。Cの端子電圧は電子電圧計(V)で指示させる。R0の端子電圧をE0,Cの端子電圧をEvとすれば,となり,これはQを指示している。したがってE0を一定とし,EvをQで目盛ることにより直接Qを読むことができる。1-1′端子に補助コイルと直列に低インピーダンス(主としてコイル),また2-2′端子に高インピーダンス(主としてコンデンサー)を並列接続することにより,インピーダンスの成分,すなわち抵抗分およびリアクタンス分を求めることができる。数十kHz~数十MHzの範囲でQの測定ができるほか,高周波インピーダンスの測定に利用できるので便利である。
執筆者:平山 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報