SDHC(読み)えすでぃーえっちしー(その他表記)SDHC

知恵蔵 「SDHC」の解説

SDHC

SDメモリーカードは、1999年に策定された「第1世代」の場合、最大容量が2GBという制限があり、デジタルカメラの高解像度化、映像向けのニーズ拡大などから、主に容量において、限界を迎えている。
そのため、2006年に策定されたのが、第2世代規格「SDHC」。ファイルシステムを、Windows95までで使われていた「FAT16」から「FAT32」に変更した上で、最大容量を32GBまで拡大した。SDHC対応カードは、第1世代のSDメモリーカードにしか対応しない機器では使えないものの、SDHC対応機器では、第1世代SDメモリーカードも問題なく利用できる。
その後、ハイビジョン対応ビデオカメラでSDメモリーカードを使う例が増えたことや、フラッシュメモリーの価格の下落により、SDHCの容量限界である32GBでも、早晩手狭になる可能性が出てきた。また大容量化により、転送速度の面でも、より高速なものが望まれ始めている。
そこで、09年1月に策定されたのが、第3世代規格である「SDXC」。ファイルシステムを「exFAT」に変更、最大容量を2TB(2048GB)まで拡張し、さらに、最大転送速度も、将来的には約300MB/秒と、現在のSDHCの50倍以上にまで高速化できる余地を持つ。
SDメモリーカードとSDHCの関係と同じく、SDXC対応機器でなければ利用できないが、SDXC対応機器では、従来のSDメモリーカードがすべて利用できる。
ファイルシステムにexFATを利用する関係から、現時点では利用できるOSや機器が限られる可能性が指摘されている。現時点では、Windows XP SP2以降にマイクロソフトが公開している更新プログラムを適用したものか、 Windows Vista SP1以降でないと利用出来ない。
09年1月現在、SDXC対応製品は登場していない関係から、対応機器・OSに関する情報は公開されていないが、製品登場時には、なんらかの回答が示されるものと予想されている。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「SDHC」の意味・わかりやすい解説

SDHC
えすでぃーえいちしー

SDメモリーカードの上位規格で、最大32ギガ(10億)バイトまでのデータを記録できる。SD high-capacity の略称

 SDメモリーカードはパソコンやデジタルカメラ、携帯電話、携帯音楽プレーヤー、テレビゲーム機などのデジタル機器の外部記録媒体として利用が広がっているが、ファイルシステムにFAT16を採用していたため、記録容量は最大2ギガバイトまでの制限があった。SDHCではFAT32を採用することで、大容量データの記録が可能となった。

 大きさは従来のSDメモリーカードと同じ(長さ32×幅24×厚さ2.1ミリメートル)だが、従来のSDメモリーカード用機器ではSDHCは使用できないことが多い。

 ファイルシステムにexFATを採用し、最大2テラ(1兆)バイトのデータが記録可能な「SDXC」規格も発表されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ASCII.jpデジタル用語辞典 「SDHC」の解説

SDHC

2GB~32GBの容量を持つSDカードで、それ以前のSDカードにしか対応していない機器では、読み書きができない(一部の機器では、ファームウェアの更新などで利用できる場合もある)。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「SDHC」の解説

SDHC

⇨SDメモリーカード

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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