テレビゲーム機(読み)てれびげーむき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テレビゲーム機」の意味・わかりやすい解説

テレビゲーム機
てれびげーむき

コンピュータ・ゲームを楽しむハードウェア一種で、ディスプレー装置として家庭用のテレビ受信機を使用するもの。1983年(昭和58)に任天堂が発売した8ビットCPU(中央処理装置)をもつ「ファミリーコンピュータファミコン)」によって、家庭用テレビゲーム機がいっきょに広まり、ファミコンはテレビゲーム機の主流となった。1988年には、セガ・エンタープライゼス(現セガ)から16ビットの「メガドライブ」が発売され、処理速度とグラフィック機能が格段に向上した。1990年(平成2)に発売された任天堂の「スーパーファミコン」は16ビット機最大のヒット商品で、国内累計で1700万台以上を出荷し、ゲーム機商戦における任天堂の独走状態が続いた。しかし、1994年には、セガの「セガサターン」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション」の32ビット機が登場し、プレイステーションがトップシェアの座を獲得した(2004年までに全世界で1億台以上を出荷)。1996年、任天堂は32ビット機に対抗して64ビット機「NINTENDO64」を発売した。1998年には、セガから128ビット機の「ドリームキャスト」が、2000年にはソニー・コンピュータエンタテインメントから、128ビット機で、DVDビデオプレーヤー機能が入った「プレイステーション 2」が発売された。その後、超高性能半導体セルCell搭載の「プレイステーション 3」(2006年)やIBM PowerPCベースのCPUをもつ任天堂の「Wiiウィー)」(2006年)が登場した。

 最近のゲーム機にはオンラインで通信対戦ができる機能もつけられている。ゲームソフトの供給媒体は、初期は半導体チップを組み込んだカートリッジであったが、「プレイステーション」以降はCD-ROM、DVD-ROMを使用している。

 なお、テレビゲーム機のソフトは無数にあるが、大ヒットしたものとして「スーパーマリオブラザーズ」「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などのシリーズがあり、ゲーム機の普及を支えてきた。

[鈴木銀一郎]

『テレビゲーム・ミュージアム・プロジェクト編『電視遊戯時代――テレビゲームの現在』(1994・ビレッジセンター出版局)』『多摩豊著『テレビゲームの神々――RPGを創った男たちの理想と夢』(1994・光栄)』『山下恒男著『テレビゲームから見る世界』(1995・ジャストシステム)』『矢田真理著『ゲーム立国の未来像――世界をリードするコンテンツビジネスのすべて』(1996・日経BP社、日経BP出版センター発売)』『長尾剛著『テレビゲーム風雲録――インベーダーからドリームキャストまで』(1999・文芸春秋)』『白鳥令著『ゲームの社会的受容の研究――世界各国におけるレーティングの実際』(2003・東海大学出版会)』『メディアクリエイト総研編『テレビゲーム産業白書』各年版(メディアクリエイト)』『桝山寛著『テレビゲーム文化論――インタラクティブ・メディアのゆくえ』(講談社現代新書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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