…弟子灌頂の記録であり,《法華経》の注釈である文句,およびその原理を論じた玄義とあわせて,天台三大部とよばれる。摩訶とは大,止観は座禅のことであるが,同じ座禅の教えとして,低きより高きに至る順序を示す次第禅門や,順序を問わぬ不定止観が,迷いより悟りへの過程を説くのに対し,本書は初めよりただちに円頓としての実相の理を明らかにし,一色一香すべて中道で,修も証もない法界の極相を説いて,実相そのものの寂然たるところを止,寂にしてつねに照す実相の智恵を観とするところに特色をもつ。【柳田 聖山】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」