黄金国(読み)おうごんこく(英語表記)Chrysē Chora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄金国」の意味・わかりやすい解説

黄金国
おうごんこく
Chrysē Chora

インド,ギリシアの古文献で東南アジア方面にあったとされる富に満ちた国。『ジャータカ』などのインド古文献によれば,商人たちは巨利を求めて黄金国 Suvarṇa-bhūmiや黄金島 Suvarṇa-dwīpaに渡ったという。黄金国はビルマ (現ミャンマー) 沿岸,黄金島はスマトラ島といわれ,インド商人が前4世紀頃にはすでに東南アジア海域で商業活動をしていたことがわかる。ギリシア人 K.プトレマイオスの地理書によれば,黄金国はガンジス河口より東方,ビルマ方面にあったとされる。同書はまた黄金半島 Chrysē chersonesosの名を伝えているが,これはマレー半島のことと思われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android