精選版 日本国語大辞典 「何れ・孰れ」の意味・読み・例文・類語
いず‐れ いづ‥【何れ・孰れ】
① 多くの事物の中から一つを取り出して示す。どれ。
※万葉(8C後)一八・四〇八九「百(もも)鳥の 来居て鳴く声 春されば 聞きのかなしも 伊豆礼(イヅレ)をか わきてしのはむ」
② 二つの事物のうち、一方を選んでいう。どちら。どっち。
※土左(935頃)承平五年一月二一日「わが髪の雪と磯(いそ)べの白波といづれまされり沖つ島守」
③ わからない場所をさす。いずこ。どこ。
[2] 〘副〙
① いずれにしても、の意。少し違いがあっても結局は。どのみち。どちらにせよ。
※虎寛本狂言・文相撲(室町末‐近世初)「『扨今のは某がまけか』『何れ御勝とは見えませぬ』」
② (多く、「また」「そのうち」などの語を伴うが、現在では単独でも用いる) そう遠くない将来において。近々。「いずれ参ります」
※人情本・閑情末摘花(1839‐41)一「何(イヅ)れ都合して二三日中にゃア出かけ様と思ふから」
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