凡例《小学館 和伊中辞典 2版》

1 見出し語

1.1 一般語,略語,接頭辞,接尾辞,擬態語など,約5万2千語を,ひらがな,または外来語はカタカナで五十音順に配列し,次の順序に従った。

清音 → 濁音 → 半濁音
促音,拗音 → 直音
独立語 → 接頭語 → 接尾語

1.1.1 長音符「ー」は,その直前の文字を延ばした音をア行に置き換えて配列した.
ふうど 風土 / フード〔英 food〕

1.2 見出し語はひらがなまたはカタカナで表し,その後に,それに相当する漢字あるいはアルファベットを,外来語には原語を示した.
けむり 煙 fumo (男)
シーディー CD
ブーツ〔英 boots〕stivali (男)[複]

1.3 複合語は主見出しの語の後に,先頭の語の前に◎を置いて配列した.
しょうけん 証券…
証券会社
証券市場

2 語義と訳語


2.1 語義の区分には1, 2, ...を,慣用句,複合語の中では(1),(2), ...を用いた.その中で訳語が並ぶときはカンマ(,)を,やや意味に隔たりがあるときはセミコロン(;)を用いた.

2.2 語義の定義を(( ))内に日本語で示し,そのあとにイタリア語の訳語を置いた.
しき 式 1 ((儀式)) cerimonia... 2 ((様式)) stile...

2.2.1 基本語などで大きな語義区分には【 】を用いた.
なか1【物の内側】in,dentro... 2【範囲】in,fra...

2.3 変化形

2.3.1 語義に当たる名詞には男性・女性の区別をつけた.男性名詞で女性形のあるものは [ ] 内に示した.
きょうじゅ 教授 professore(男)[(女) -essa]

2.3.2 語尾変化のわかりにくい名詞・形容詞は変化部分をイタリック体で示し,[ ]内に変化形を示した.
ince_ndio (男) [複 -i]
arti_stico (男) [複 -ci]

2.3.3 単数・複数同形の名詞には[無変]と示した.
toccasana (男) [無変]

2.3.4 essere,rimanereなどの「自動詞不定詞+形容詞」で示されるとき,主語の性・数によって変化する形容詞の語尾部分はイタリック体とした.
e_ssere allegro

2.4 自動詞には学習上の便宜を図るために,自明なものを除き,(自)で示した.さらに複合時制を作る場合の助動詞をavereを取るものには[av],essereを取るものには[es]と示した.
rispo_ndere (自) [av]
rimpatriare (自) [es]
他動詞のうち,目的語なしでも用いられる語には、(他)の後に(▲単独でも可)と示した.
おがむ 拝む...pregare (他)(▲単独でも可)

2.5 結びつきの強い前置詞を訳語の後に示した.
anda_rsene ((から da))

2.6 文型の指示,前置詞とのつながりを示した.
di+[不定詞],che+[接続法]
a qlcu

2.7 名詞の性・数により語形が変わる所有形容詞はイタリック体のproprioで表した.
呼吸を整える controllare il pro_prio respiro

2.8 補語人称代名詞の一般形にはイタリック体のを用いた.強制形はse stesso.

2.9 日本語のローマ字表記にはヘボン式を用い,イタリック体とした.
judokimonohaikukabuki

2.10 派生語は語義・訳語の後に◇を用いて示した.
はっけん 発見 scoperta (女)
◇発見する scoprire...

3 用 例


3.1 語義を示した後に¶に続けて挙げた.イタリア語訳が2つ以上あるときには / を用いて並列した.

3.2 用例の日本語が諺である場合は((諺))と記した.また,イタリア語の訳文が諺である場合はそのイタリア語文を " " で囲んだ.

3.3 訳文中の単語あるいは訳の一部が入れ替え可能であるときは,入れ替え可能部分を [ ] で囲んだ.入れ替え部分がわかりにくい場合は,入れ替えが始まるところに「 を置いた.

3.4 省略可能な部分は日本語,イタリア語ともに(  )で囲んだ.

3.5 見出し語が商標であるときは((商標))と示した.イタリア語の訳語が商標であるときは,訳語の後に(▲商標)と示した.

4 慣用表現

日本語の慣用表現を,用例の後に続けて【慣用】を用いて並べた.

5 アクセント・発音


5.1 イタリア語のアクセント位置の表示は,語末から2つ目の母音に落ちない場合にのみ、母音字に下線( _ )を付けて示した.
u_tile

5.2 s, z の清音・濁音の区別を,濁音になる文字の下に点( .)を付けて示した.

5.3 gli を [ɡli],gn を [ɡn] と読む場合は,音標文字によって示した.
negligente [-ɡli-]
gneiss [ɡneε-]

5.4 訳語がイタリア語以外の外国語で,発音がわかりにくい語や,イタリア語的な発音がされる語などには,適宜,音標文字による発音を示した.

6 コラム


6.1 類語の使いわけを【使いわけ】,語法上の注意事項を【語法】,語形上の注意事項を【語形】としてあげた.

6.2 見出し語に関連する語を【関連】欄でまとめた.

6.3 参考となる記述を【参考】欄で挙げた.

6.4 日本固有の文化や事象について【日本事情】の囲みで記述した.

6.5 実際の会話場面で使える会話文を「会話」のコラムとして載せた.

6.6 専門分野の用語を「用語集」として収録した.

7 記号類


慣用】 日本語の慣用表現
関連】 見出し語に関連する単語
参考】 主に文化的な参考記事
使いわけ】 類語の使い分け
語法】 語法上の注意事項
語形】 語形上の注意事項
◇ 派生語を示す
◎ 複合語の始まり
▲ 語法・文法上の説明
◆ 文化的背景の解説
¶ 用例
→ 同義語,記述参照
( ) 省略可能な語句
(( )) 語義の定義
【 】 大きな区分の語義の定義
《 》 イタリア語のスピーチレベル,または地域語の表示
[ ] 置き換え可能な語句
≪ » 結びつきの強い前置詞
/ [ ]内で前後の語句の入れ替え可能,または2つ以上の用例を並べるとき
「 置き換え可能な語句の始まり
〔 〕 外国語名,または外国語の原語
[ ] 名詞・形容詞の変化形,または複合時制を作るときの助動詞の区別,発音記号
< > qlcu.に対する日本語訳「人」を示す
〘 〙 専門語の分野名
" " イタリア語の会話文,作品名,諺,掲示文,表示文など
「 」 日本語の会話文
『 』 日本語の作品名
+ 文型の指示
qlcu. 人を表す名詞(qualcunoの略)
ql.co. 物を表す名詞(qualcosaの略)
(男) 男性名詞,男性形
(女) 女性名詞,女性形
[複] 複数形
[無変] 単数・複数同形
(自) 自動詞
(他) 他動詞

8 略語表


《擬》 擬声語,擬態語
《俗》 俗 語
《文》 文 語
《詩》 詩 語
《親》 親密語
《卑》 卑 語
《蔑》 軽蔑語
《諷》 諷刺語
《稀》 稀用語
《比喩的》 比喩的な用法
《婉曲》 婉曲用法


〔伊〕 イタリア語
〔英〕 英 語
〔蘭〕 オランダ語
〔ギ〕 ギリシア語
〔ス〕 スペイン語
〔独〕 ドイツ語
〔日〕 日本語
〔仏〕 フランス語
〔ポ〕 ポルトガル語
〔ラ〕 ラテン語
〔ロ〕 ロシア語
〔梵〕 サンスクリット

〘哲〙 哲 学
〘論〙 論理学
〘心〙 心理学
〘宗〙 宗 教
〘ギ神〙 ギリシア神話
〘ロ神〙 ローマ神話
〘神〙 神 学
〘カト〙 カトリック
〘キリ〙 キリスト教
〘聖〙 聖 書
〘史〙 歴 史
〘考〙 考古学
〘地〙 地理学
〘政〙 政 治
〘法〙 法 律
〘経〙 経 済
〘人類〙 人類学
〘数〙 数 学
〘物〙 物理学
〘光〙 光 学
〘化〙 化 学
〘生化〙 生化学
〘天〙 天文学
〘地質〙 地質学
〘古生〙 古生物
〘気〙 気象学
〘鉱〙 鉱物学
〘生〙 生 物
〘植〙 植 物
〘動〙 動 物
〘貝〙 貝 類
〘魚〙 魚 類
〘昆〙 昆 虫
〘鳥〙 鳥 類
〘解〙 解剖学
〘医〙 医 学
〘薬〙 薬 学
〘土〙 土 木
〘鉄〙 鉄 道
〘建〙 建 築
〘機〙 機 械
〘車〙 自動車
〘航〙 航 空
〘電〙 電 気
〘通〙 通 信
〘ラジ〙 ラジオ
〘テ〙 テレビ
〘コンピュータ〙 コンピュータ
〘軍〙 軍 事
〘冶〙 冶 金
〘服〙 服 飾
〘料〙 料 理
〘農〙 農 業
〘商〙 商 業
〘芸〙 芸 術
〘美〙 美 術
〘写〙 写 真
〘印〙 印 刷
〘音〙 音 楽
〘劇〙 演 劇
〘映〙 映 画
〘スポ〙 スポーツ
〘言〙 言語学
〘音声〙 音声学
〘文法〙 文 法
〘修辞〙 修辞学
〘文学〙 文 学
〘詩学〙 詩 学
〘船〙 船 舶
〘工芸〙 工 芸
〘織〙 織 物
〘彫〙 彫 刻
〘古ギ〙 古代ギリシア
〘古ロ〙 古代ローマ
〘行政〙 行 政
〘官庁〙 官庁用語
〘電子〙 電子工学
〘金融〙 金 融
〘会〙 会計学
〘統〙 統計学
〘財〙 財政学
〘幾何〙 幾何学
〘工〙 工 学
〘仏教〙 仏 教