デジタル大辞泉
「繋」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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つなぎ【繋】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「つなぐ(繋)」の連用形の名詞化 )
- ① あるものとあるものとを結ぶこと。また、そのもの。
- [初出の実例]「細帯をつなぎにとって僕の帯へむすびつけて」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉八)
- ② 物事の間隙や次のものまでの間隔を仮にうめるものや事柄。なかつぎ。
- [初出の実例]「見る人其差別の分ざることを免し、せりふのたらざる所をば助言(ツナギ)を入れて給へかし」(出典:洒落本・青楼娭言解(1802))
- ③ 目当ての人などが来るまでの間、他の者が代わって間合いをうめること。また、その人。演芸などで次の出番の人が遅れた場合など時間をつなぐために演じているものを延ばしたりすること。また、その演者。
- [初出の実例]「慰問かたがたつなぎに遣って置いた」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一八)
- ④ ( 交際をつなぐものの意で ) 町会や長屋などで、慶弔などの時、金銭を集めること。また、その金銭。
- [初出の実例]「相借屋中は、〈略〉つなぎの進上樽、おめでたいとはやす」(出典:浮世草子・商人職人懐日記(1713)五)
- ⑤ もろい物、粘りけがない物などが、離れたりくずれたりするのを防ぐために混入するもの。壁土に混入する苆(すさ)、また、そばやつくねなどを作るとき、材料がまとまるように入れる、小麦粉・米粉・くず粉・とろろいも・卵など。
- [初出の実例]「蕎麦切へ入る温飩の粉じゃァあるめへし。つなぎだの、なんだのと」(出典:洒落本・甲駅新話(1775))
- ⑥ 歌舞伎で、引き返し幕の時、音楽を演奏したり、拍子木を二つずつ続けて打ったりして幕間をつなぐこと。また、俳優が扮装を変える間、ほかの俳優の演技や音楽でつなぐ場合にもいう。〔戯場訓蒙図彙(1803)〕
- ⑦ 地歌や箏曲の用語。唄と手事(長い間奏)を繋ぐ楽器のみの部分。
- ⑧ 「つなぎじろ(繋城)」の略。
- [初出の実例]「右小西所へ助勢も無之、平安もいまだ相拘候中に、つなきに有之大友城、彼先手之様子をも不見分」(出典:島津家文書‐文祿二年(1593)五月一日・豊臣秀吉朱印状案)
- ⑨ ズボンと上着とが、別々ではなくひとつになっている服。ジャンプ‐スーツ。
- [初出の実例]「いま凝ってるのは各種のツナギなので、半年後にゃペンキ屋スタイルが世の中に満ちるかもしれんが」(出典:にんげん動物園(1981)〈中島梓〉二二)
- ⑩ =つなぎばいばい(繋売買)
つながり【繋】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「つながる(繋)」の連用形の名詞化 )
- ① つながること。長く続くこと。また、そのもの。続き。つらなり。
- [初出の実例]「話のつながりがどうにもうまくいかないということもあるだろう」(出典:がらくた博物館(1975)〈大庭みな子〉犬屋敷の女)
- ② 関係があること。かかわりあいがあること。関連。関係。きずな。
- [初出の実例]「そのつながりさへなければ」(出典:百鬼園随筆(1933)〈内田百
〉飛行場漫筆)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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